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薬が効かない新型耐性菌 CRE 国境越えた医療で拡散 [感染症]

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抗菌薬カルバペネムが効かない新たな耐性菌が、世界各地で急速に広がっているそうです。
このほど日本で初報告された新型耐性遺伝子OXA48を持つ肺炎桿(かん)菌は、新耐性菌の代表とのこと。

現状と対策が報告されました。 (ソース:2013年7月11日 朝日新聞)

◆国境越えた医療で拡散

米疾病対策センター(CDC)は今春、米国で急速に広がる新型多剤耐性菌「CRE」
への注意を呼びかけた。

CREとは「カルバペネム耐性腸内細菌科の菌」という意味の英語の頭文字。ほとんど全ての抗菌薬が効かない。
CDCによると、昨年1~6月の半年間に、全米の病院の4%でCRE患者が見つかった。
敗血症を起こした2人のうち1人は死亡した。

◆恐ろしさ、3つの理由

 CREの恐ろしさには、三つの理由がある。

 【理由1】遺伝子が五つ

カルバペネム分解遺伝子は少なくとも5種類見つかっている。腸内細菌がそのどれかを持つとCREになるが、特徴が違う。
種類が多いので検出が難しく、見落としやすい。

 【理由2】強力な増殖力

細菌は通常、1個が2個、2個が4個……と、分裂して増えていく。しかし、CREは、それを上回る驚異的な増え方をする。

 【理由3】腸内潜伏

CREに変化するのは、腸内に常在している平凡な大腸菌や肺炎桿菌。腸以外の臓器に移動すると、
膀胱(ぼうこう)炎や肺炎などを起こすが、普段はおとなしい。

自分の腸内細菌がCREに変わっても、健康な時ならまず気付かない。

だが、いったん抗菌薬を使うと、腸内にいる「薬が効く」菌は死んでいき、CREがはびこるのだ。
そして便を介して他人にうつる。フランスでは3年前にCREの院内感染が起き、7人中5人が死亡した。

◆CREが世界的に広がる背景

国立感染症研究所によると、CREが世界的に広がる背景には、外国で手術などを受ける医療ツアーの普及がある。
医療ツアーがまだ一般的でない日本は、先進国でほぼ唯一の「CRE低汚染国」だ。

しかし、海外で入院して帰国した人から見つかる例が増え始めている。

 昨年5月、80歳代の男性がエジプト観光中に高熱を出した。現地の病院に入院し、数日後に国立国際医療研究センター
(東京都新宿区)に転院。この時の検便からCREが見つかった。
 
海外で医療を受けた人はCREを持っている前提で対応すべき。


◆封じ込めには基本の徹底

現在、CREによく効く薬はない。しかも、新規抗菌薬の開発は滞っている。
産官学が力を合わせて新薬開発を急がなくては、人類初の抗生物質ペニシリン発見以前の暗黒時代に戻りかねません。

米政府は一昨年、創薬を促す新法を作った。新規抗菌薬には、特許延長や優先審査など優遇するという内容だ。

幸い、日本ではまだCRE汚染は広がっていない。専門家は「監視、院内感染予防策や抗菌薬の適正使用といった基本を
徹底すれば、封じ込めは可能です」と口をそろえる。

◆取材協力専門家
名古屋大の荒川宜親教授(細菌学)
千葉県船橋市立医療センター微生物検査室の長野則之主任。
国立感染症センター長 大曲貴夫(おおまがりのりお)
東邦大の舘田(たてだ)一博教授(感染症学)
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